1997年1月11日。
GIGIと私が家族になりました。
少し前から、犬のいる生活もいいかな〜とは思っていたのです。
そして、様々な条件が整ってさぁ飼おうと決心したのですが、
いざ飼うとなると何も知らないんですね。
犬を飼うために必要な最低限のモノやコトはもちろんですが、
それ以前にどんな種類の犬を飼ったらいいのか分からない。
と言うよりも、どんな種類の犬がいるのかも知らなかったのです。
前年の暮れにそれまで勤めていた師匠の事務所を退職してから、
年末年始の数日間は日がな犬の本を眺めていました。
色々な犬種の写真が載っているいわゆる図鑑のような本やら、
室内犬の飼い方というような初心者向きの本やら。
各犬種ごとに、「しつけのしやすさ」「ムダ吠え」「手入れのしやすさ」
といった項目が☆マークの数で分かるようになっていたので
とりあえずそれを参考にいくつか候補をピックアップしました。
結局パピヨンにしたのは、室内で飼える小型サイズであることと、
比較的手入れが簡単そうだったから。
でも、なんと言っても写真を見た途端に「可愛いっ!」と思ったからです。
仔犬の頃はどんな犬でも可愛いものです。
でも、成犬になるとかなりイメージが変わる犬も多いです。
可愛くなくなるということではなく、より犬らしく、精悍になって、
「なんだか立派になっちゃって」みたいなカンジでしょうか。
ペットショップにはたいてい仔犬しかいませんからどの子も可愛いんです。
ただ、大きくなったときのことを想像すると「う〜ん......」と
少し怯んでしまうことが、私の場合は多かったんですね。
その点パピヨンは、これはあくまでも私の個人的な感覚ですが、
成犬になっても仔犬の時の愛らしさがそのまま残っているみたい。
むしろ成犬になるほど、お耳や尻尾のコート(毛)が伸びて、
ますますエレガントでキュートじゃん。
お顔だって、鼻がぐんと伸びて精悍になるんじゃなく、
わりと童顔のままじゃん。
とまぁ、私なりにそう感じ、それが私にはとても重要な判断基準になりました。
多分、図鑑で見たパピヨンの写真がすごく良かったのだと思います。
それから、パピヨンを求めてペットショップ巡りが始まりました。
色々見るんですが、なかなかピンと来る子が見つかりません。
中には、パピヨンを探している私に対して、当時流行っていたコーギーや
キャバを勧めてくださるショップもあったりして、辟易したこともあります。
よく思うのですが、ペットショップの方って時々ピントずれてたりしません?
1週間毎日ペットショップ巡りを続け、
50件ほど回ってやっと見つけたのがGIGIです。
私が描いていた以上に可愛い仔犬でした。と、私は思います。
出会った瞬間に、GIGIと私は静かに見つめ合い
私はそのまま固まってしまいました。
そうそう。
「どうする、アイフル〜♪」のあのお父さん状態ですね。
飼う前から名前はGIGIと決めていたので、
ショップの人に聞こえないよう小さな声で「GIGI......」と呼んでみたところ
それまで、きょとんとしてただ私を見つめていただけのGIGIが
急に千切れそうなほど尻尾を振って寄ってきたのですよ。
今思えば当たり前のことなのかも知れませんが、
その時私は「この子だっ!!」と思いましたね。
ただ、その時すぐには連れて帰りませんでした。
本当に犬が飼えるかどうか、これから10年15年共に暮らしていけるかどうか。
私なりに少し冷静になって一晩考えようとしてみたのです。
でも、もうその時点でメロメロになっているワケですから、
冷静になどなれるハズもなく。
次の日早速そのショップに飛んで行きました。
GIGIがいるのを横目で確認した上で、お店に人のところへ直行。
「この子ください」
お店の人は丁寧に、GIGIがいかに良い子かということについて
色々と説明してくれたのですがほとんど覚えていません。
そんなこと説明してくれなくても、もう知ってる。
そんな気分でした。
あれから、8年以上が経ちました。
今でもGIGIは元気です。
もうそろそろお年寄りの域にはいり、白髪も随分増えましたが、
でもやっぱり童顔のままです。
なんとなくそんなカンジがした・・・というような曖昧な判断基準でしたが
まぁ間違ってなかったかな。と、私は満足しています。