とても素敵なことがありました。
つい先日のことです。
いつものようにネット対局場に入り、
お友達の対局を観戦していました。
ギャラリーは私一人でした。
しばらくして、別の方が入ってこられました。
何度かお見かけしたことはあるけれど
お話したことはありません。
「こんばんは」
「こんばんは」
ま、とりあえずご挨拶します。
一瞬の間をおいて、その方が話しかけてこられました。
「あの......いきなりで申し訳ないんですけど」
「はい?」
「あ! あの......ストーカーじゃないんですよ!!
ストーカーじゃないんですが......」
「??」
「偶然にもそちらのブログを拝見しまして」
「あぁ。ありがとうございます」
「実は、囲碁の大会に出まして、そのことで
何か書いておられる方がいないかな〜と思って......」
この時点では、その方が私のブログを読んでくださって、
何か共感するところがあったんだろうと、
そして、ほんの少しの仲間意識を持ってくださったんだろうと、
その程度に感じていたワケです。
思い上がった話です。
ところが。
その方はいきなり本名を名乗られました。
「○○大学の△△です」
え?
その名前。
はっきりとは覚えてないけど。
確か......。
「ひょっとして、あの時の女性の方?」
「はい」
そう。
みゆき先生と団体戦に出させていただいたあの5月の、
あの大会の時に打った、あの素敵な彼女。
強くて、厳しくて、真摯で、そして優しかった、あの彼女。
怖いけど最後まで打ちたくて、投了しなかった私に
根気よくおつき合いくださった、あの彼女。
囲碁を続けていれば、いつか会えるとは思っていました。
あの時の学生チームの主将がみゆき先生とお知り合いのようだったので
そのつながりもあることだろうし。とも、思っていました。
でも、こんなにも早く、しかもこんなところで、
会えるなんて思ってもみなかった。
まして、彼女の方から声をかけてくださるなんて。
しばらく言葉が出ませんでした。
かろうじて、顔文字で驚きと喜びを表現した程度。
それからやっと言えたのは。
「その節は御迷惑をおかけしまして」
なんだかとってもマヌケです。
それから、しばらく彼女とお話しました。
もちろん囲碁のことです。
みゆき先生の話もしたと思います。
でも実は、覚えていないのです。
打ちたい。
打ちたい。
打ちたい。
そればっかりが頭の中をぐるぐる回って、
でも、あれからたいして成長していないのに
恥ずかしいかもしれない。だとか、
こんな下手くそと打ちたくないだろうか。だとか、
妙に躊躇してしまったりして。
でも。
打っていただきました。
「打ちましょう!」と気持ち良く言ってくださいました。
ああ。あのときと一緒だなぁ。
気持ちの良い人だなぁ。
なんだか、離れた恋人を想うみたいでヘンですが、
会えた感激と、打てる喜びと、
それからやっぱり「怖い」という気持ちで、
体が震えました。
ちょっとだけ、涙も出ました。ちょっとです。
だから。大会でもないんだけど、
みゆき先生の扇子を握りしめて打ちました。
結局、通信状態の不調で打ちかけになってしまいましたが、
また打ちましょうね。そう言っていただきました。
再会の対局はしばしおあずけになりましたが、
また、新しい楽しみが増えました。
ありがとう。
囲碁って本当に素晴らしい!
みゆき先生がよくおっしゃる言葉です。