体調不良で寝込んだりしていたもんで、
すっかりご報告のタイミングを逃してしまいました。
実は。
初めて、優勝しました。
11月の第二土曜日。古友会。
その日は秋季碁会でした。大会です。
私は7級で、級位者のクラスで参加させていただきました。
年に2回の大会なので、知らない人もたくさん来られますが、
やはり「古友会」の大会なので、前日もあんまり緊張しませんでした。
それよりも楽しみの方が大きかったです。
というのも、是非打ちたい人がいましたから。
4月にあった春季碁会。
私は初めて参加させていただきました。
そして、ビギナーズラックで準優勝しました。
その時は12級だったのですが、
決勝戦で打っていただいたのが2級だったか3級だったかの
S田さんという女性の方です。
9子置かせていただいたけど、まったく歯が立ちませんでした。
その後も古友会でいつもお会いしてましたが、
打つ機会はありませんでした。
その方と打つために、出来ることなら決勝戦までは行きたいなぁ。
そんなことを考えながら、前日は詰碁の本も開くことなく、
ぐっすりと休みました。
しかし。
当日行ってみると、その方はお休み。
がぁ〜〜〜〜〜ん。
ま、いいや。
とりあえず、初戦突破よ。
そうでした。決勝戦どころの騒ぎではありません。
何と言っても私の課題は「初戦突破」でありました。
そのためには、ちゃんと落ち着いて、冷静に、
自分の持っているなけなしの力を出さなくてはなりません。
そう思うとちょっと緊張。
みゆき先生に励まされて、いよいよ一局目。
この大会はハンデ戦ですが、相手の方も7級でしたので互い戦です。
握って私の白番。
とにかくヤキモチを妬かないように。
地にこだわりすぎないように。
落ち着いて、盤面全体を見て。
自分の分かる範囲で手厚くうってみよう。
そんなことを考えながら臨みました。
もちろん、みゆき先生の扇子を片手に。
もう、すっかり棋譜は忘れてしまいましたが、
ずっと、白が少しだけ良かったように思います。
良いような気はしていたのですが、
私は形勢判断が全く出来ないので、
とにかく精一杯打つしかないんですね。
精一杯ですから、途中で疲れてきます。
根気がなくなりそうになります。
あ〜。早く終わりたいなぁ。
そんなことを考えてしまうことが、よくあります。
途中で胃が痛くなったりします。
この時も、そうでした。
でも。
何かの拍子に隅の黒が死んでしまいました。
殺すつもりなんか、なかったのです。
でも、気がつくと三目だったので......。
中手打ちますよね。
詰碁キライな私でも分かりました。
ところがこれが、部分的な死だったみたい。
なんだ、ちっとも分かってないじゃん。
そこから少し攻め合いのようになったりもしましたが、
「生きられたらしょうがないな」ってな感じで
わりと、丁寧に打てました。
結局、そこが大きかったみたいです。
中押し勝ち。
わぁい。勝てた〜。
みゆき先生、初戦突破したよ。
いきなり課題達成。
もう、ゴキゲン。
二回戦も握りでした。また、白番。
今度はわりと勝っていたと思います。
生意気ですが、負ける気がしませんでした。
でも「勝ってる碁を勝ちきるのが難しいのだ」
という言葉を、よくききます。
だから、油断しないように自分を戒めながら、打ちました。
アタリに突っ込まないように。
ダメづまりでボロボロにならないように。
切られて死んでしまわないように。
かなり、レベルの低い戒めです。
ま、それが私のレベルですから。
で、中押し勝ち。
お昼をはさんで三回戦。これに勝ったら決勝戦。
S田さんはいないけど、決勝戦行きたいよな〜。
あかん、あかん。
先のことより、まずは目の前の一局よ。
相手は5級の方でしたので、2子置かせていただきました。
今度はなかなか上手くいきません。
ずっと、苦しいな〜苦しいな〜と思いながら打っていました。
でも何となく、「そこ、手抜きしてません?」みたいなとこがあって、
よく分からないけど急所っぽいところに打ってみたりしました。
相手の方も応手を間違われたようなのですが、
それが私は分からない。
詰碁力のなさが露呈。
結局殺せなかったけど、ちょっとは苦しんでいただけました。
この碁は終始そんな感じで、分からないなりに打ってみて、
相手の方がそれを受けてくださるということが多かったです。
で、終局。
なんとか勝ってました。
決勝戦の前に、みゆき先生がまた励ましてくださいました。
とにかく落ち着いて、精一杯頑張ってください。
大丈夫ですよ。勝てます。
でも実のところ、決勝戦は厳しいだろうな〜と言うのが
どうも下馬評だったようです。
級位者のクラスなのに、何故か決勝戦は初段の方。
人数の関係なんですね。
で、この初段の方というのが、初めて参加された方で
他の初段の方々を撃破して決勝戦まで上がってこられた方です。
強い。
頑張って欲しいけど、ちょっとNanokaにはキツイだろうな。
そんな感じだったようです。
そんなことは全く知りませんでしたが、
とりあえず「初段」ってだけで、びびります。
もちろんハンデ戦だけど、攻め合いとかになれば絶対勝てないしさぁ。
ま、でもいいや。ここまで来られたから。
何か賞品はもらえるしね。
がんばろ〜っと。
石を7つ置かせていただいて、決勝戦がはじまりました。
いきなり隅で石を取られてしまいました。
でも、不思議と焦りませんでした。
外が厚くなったから、いいんだも〜ん。
実は、厚みってよく分からないのです。
でも、分からないなりにも「厚み」という
「言葉」を意識して打ちました。
途中で何度も、相手の方が「ツライなぁ......」とぼやくのが聞こえましたが、
どこがツライかよく分かりませんでした。
だって、黒地どんどんちっちゃくなるし。
このまま行ったらなくなるよ......。
でも、後で考えてみると、白地もなかったりするんですね。
打っているときは、自分だけがないように見えるんだけど。
負けてるのかなぁ。負けてるのかなぁ。
そんなことを思いながら終局しました。
結構勝っていました。
おそらくこの日、私はいつになく好調だったのだと思います。
そして、とてもラッキーだったのだと思います。
決勝戦にしても、あの初段の方は
普段は7子も置かせて打つことなど、あまりないのかも知れません。
一方の私は、色々な方と置き碁を打たせていただいています。
だから、ちょっと得だったのだと思います。
それでも。
嬉しかった。
大会の度に悔しかったり、情けなかったりしたけれど、
やっと優勝できて、「ばんざ〜いっ!!」って言いたいくらい。
本当に嬉しかったです。
で。
少し驚いたことがあります。
みゆき先生です。
決勝戦の時、ずっと見ていてくれました。
私が勝った瞬間に「すごい! 本当にすごい!」
そして、おめでとうございます。と言ってくださいました。
それはまぁ、普通です。
それからみゆき先生は、こうも言ってくださったのです。
「私、嬉しい......」
先生は、ちょっとウルウルしてました。
自分の生徒が強くなって、優勝した。
それを自分のことのように喜んでくれている。
そのことがまた、私にはとても嬉しかった。
こんなにも大切に思ってくださる先生の気持ちが
とてもとてもありがたかった。
だから私は、ちょっとだけ考えを改めました。
私はみゆき先生の生徒だけど、
ただの「お教室の生徒さん」じゃダメなんだ。
私は「みゆき門下」なんだ。
だから、もっともっと頑張って、
先生にも、もっともっと喜んでもらいたい。
そんなこと、思いました。
大会の後の懇親会は欠席する予定でしたが、
これは出ないワケにはいかないでしょう。
ということで、急遽出席にしました。
実はこの日。
ネットでいつも教えてもらっている
「白黒さん」という方も参加されました。
四国からわざわざお越しいただきました。
で、白黒さんを新大阪まで送って行かなきゃいけないので、
早くに失礼する予定だったワケです。
なのに、むりやり白黒さんも懇親会にひきずって行きました。
白黒さんは飲めないお酒を飲んで、頭痛かったそうです。
ごめんなさい。
で、みゆき先生も、実は体調があまり良くなかったみたい。
なのに、とってもゴキゲンで飲んでおられました。
はっきり言って、酔っぱらってました。
それで次の日にダウンしちゃったみたいです。
ダメじゃん。
でも、喜んでくれてありがとうございます。
先生が喜んでくれたことが、一番嬉しかったです。
とても幸せな一日でした。
そして、とても励みになりました。
なかなか強くなれなくて、負けてばっかりで、
ツライこともたくさんあるんだけど、
こういうことがあるから、やっぱり囲碁はやめられないんだなぁ。
っていうか、やめる気はないんだけどさ。
強くなればなるほど、苦しいことも多いとききます。
でも、その分。
勝った時、優勝した時の喜びもまた、大きいんだと。
この前体調を崩してから、
なんだかヨワヨワになったような気もします。
でも。
「みゆき門下」なんだから。
先生に喜んでもらいたいから。
もっともっと強くなりたいから。
もっともっと嬉しい思いをしたいから。
だから、これからも頑張ります。
皆様、いつもありがとうございます。
そして、これからもよろしくお願いします。